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33「川の石」

 冬の静かで物思いに耽る今日この頃、昔を振り返ることが多くなりました。当時は過ぎていくばかりだった風景も今の心で見ると受け取り方が変わることもあります。

 最近は小学生の時にお世話になった先生を思い出していました。ある時先生は、私たち学生に向かってこの様な話をされました。

 

 川には色んな形の石があります。川上にはゴツゴツとした岩が転がっていて、川下に行くほど丸みのある石に変わって行きます。なんで川下に行くほど丸い石ばかりか分かりますか。

 ゴツゴツした角ばかりの岩は川を流れていく中で風や雨に打たれたり岩同士がぶつかることで角が取れていきます。そして長い時間をかけて川下に着く頃にはツルツルとした丸い石になるんです。

 あなた達もこれから成長していく中で色々な事を体験すると思います。それは嬉しい事、楽しい事だけではなく悲しい事、イライラする事もあります。でも悲しい事やイライラする事はダメな事ばかりではありません。悲しい思いをするという事は同じ様な思いをしている人に優しくなれるという事、イライラする事があれば他の人にはそんな思いをさせない、人に寄り添う心の成長につながっています。あなた達はこれから大人になっていくにつれ、色んな考えの人や色んな出来事に出会うと思います。それら全てが心の角を取ってくれる雨であり風であり石です。これからも丸い石の様な丸くて優しい心を忘れないでください。

 

 当時は私にとってつまらなく長い話でしたが今聞くと生きる上で大事な事であったと気付かされます。私たちは1人の世界で生きているのではなくお互いが干渉し合う世界で生きています。干渉し合えば喜ばしい事もあれば避けたい事も起こります。けれども見方を変えれば避けたい事は自己を見つめ直すご縁であり、寄り添う心のスタート地点にもなります。寄り添う心があれば相手を傷つける様な角張った心が相手を思いやる丸い心に変わっていきます。

 先生のお話は自分中心な角張った心ばかりの自分を知らされるご縁でしたが丸い心でありたいと願うご縁にもなりました。

 皆さんのお心は今どんな形でしょうか。

 

 阿久根市 西徳寺 大草真教