最近テレビを見ているときに、あるCMがふと目に留まりました。
地方から上京したであろう若い男性。会社員でしょうか、一人暮らしのわが家へ帰ってくると、疲れた様子でベッドに飛び込みます。ベッドの上から目に入るのが段ボール箱。四国の実家から送られてきたダンボールを開けると、たくさんの食材と両親からの手紙。その手紙を手にとり、昔の両親と自分を回想します。
ふと自分の生活を振り返ってみると、慣れない都会での生活の中、時折来る両親からの連絡に、なかなか返事もできていない自分に気づくのでした。
母親の手紙には「元気にしよる?いつ帰ってきてもエエけんね」の一言。
そのメッセージがきっかけで実家に帰った男性は、両親に「ありがとう」と伝えるのでした。
短いCMですがとても惹かれるものがありました。
気になったので少しこのCMを調べてみたところ、このCMは日本たばこ産業(JT)の企業広告でした。『ひとのときを、想う。』というキャッチフレーズはみなさまもどこかで耳にされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。主演の男性は北村匠海さんという俳優の方だそうです。この北村さんの真摯で等身大の新社会人の姿が、同年代の男性を中心に共感を呼び、にわかに話題になっているようです。
「元気にしよる?いつ帰ってきてもエエけんね」
母親の手紙には子供を想う親の心が溢れています。社会人として奮闘する息子のことを想い、連絡をしても返信はなかなか帰ってきません。
「きっと仕事が忙しいんだろう。ちゃんとご飯は食べられているんだろうか。遅くまで仕事をして疲れているのかも。元気にしているだろうか。それだけでいい。休みはなかなか取れないんだろうけど、もし休みがとれたならゆっくり実家に帰っておいで。あなたの帰る、帰ってこれる実家があるから、そのことをどうか忘れないで」
手紙に込められた優しい言葉を通じて「安心して帰って行ける場所」に気づいた北村さん。また、忙しさを言い訳にして撥ねつけていた「親の愛情」に、改めて出会っていった姿だなぁ。と感じました。きっと実家に戻った次の日から、仕事に邁進する北村さんの姿があったはずです。「いつでも帰れる場所と親の願い」が、きっと新たな一歩を踏みだす力をくれるのでしょう。そんなことにふと気づかされたご縁でした。
本願寺鹿児島別院 犬迫出張所 一條和真
