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53「2400万円当たったら」

先日YouTubeである動画を見ていたところ、大きな衝撃を受けました。その動画は、お笑い芸人霜降り明星の粗品さんが運営する“粗品のロケ”というYouTubeチャンネルにて投稿されていた一つの動画です。彼は大のギャンブル好きでも知られています。動画のタイトルは「競馬で2400万円当てた」というもの。その動画で彼は213万円の大金を賭けて、さまざまな“大穴”と呼ばれる馬券を購入し、なんとその中の一つが的中し2400万円もの大金を獲得していました。馬券が的中していたことをスタッフより知らされた時、彼は「ホンマ⁉」と何回も連呼して驚き、大喜びしている様子が映し出されていました。私も自分が2400万円もの大金を手に入れたどんなにうれしいだろう、自分だったら何に使うだろうと考えたりもしました。

しかしその後、動画の終わりに衝撃的な展開が訪れました。彼が口にしたのは「2400万円の使い道ですが、寄付します」という言葉でした。先の大金を獲得した大喜びから一転、払戻金をすべて石川県の能登半島地震の義援金として寄付するとのことでした。あまりの展開に私は度肝を抜かれ、自分だったら何に使うかと考えていた私は少し恥ずかしくなりました。もちろん彼はお笑い芸人であるため、エンターテインメントとして寄付したかもしれませんが、自分の利益よりも困っている人のためにお金を使うのはなかなか出来ないことです。

 仏教では私たちの生き様を「自己中心的に物事を考えて生きている」と説きます。煩悩(欲望)によって自分のことを第一に考えてしまい、自分の利益ばかりを追い求めしまうのが私たちの本質です。

仏さまのお心は、私たちと真逆で「他者の悲しみを自らの悲しみとして他者に寄り添う」慈悲の心です。いうならば、他者を第一に考えるお心です。この仏さまの慈悲の心を仰ぎ、少しでも私の自己中心的な生き方に気づかされるのが大事ではないでしょうか。「自分だけが良ければいい」や「自分が少しでもいい思いしたい」といった利己的な生き方ではなく、一人一人が他者を思いやり、共に生きていくことが心豊かな社会へとつながっていくことでしょう。

 

本願寺鹿児島別院 大幡融史